2016年8月14日日曜日

今年のお盆、岩手山麓は涼しさ加減

 朝晩の気温が程よいく涼しさで、東京の暑さから解放された贅沢はこの上ない。冷房は暑いところからその場所に入った時の気持ちのよさはその時だけで、あとは身体が冷えて寒くなるのか、ボワーとした温風が空気をかき回すだけで、いちいち咎めたくなる。岩手山麓の太陽はその明るさが、これが夏と言わんばかりの照り方なのに、乾燥気味の涼しい風が、山と森の間を通り抜けている。

 短かった春から夏への展開がまた早い。花がもう盛りを過ぎているという。散歩に出るとファインダーから見える花々が、確かに盛期を過ぎている感じがある。田圃のイネの穂はシュッと穂を立てて、流れている透明な水を吸い上げている。家の前のススキの穂も、今はピンとたっているが、まもなくしなっとして紫がかった色に変化するのだろう。

 親父は相変わらず「現職な」人並みの意識から抜けず、あれやこれやとそれも思いついたように時々歩き出す。歩幅が狭くなってすり足の音を立てながら、「指図」に立ち回る。しゃべりが不鮮明だから、何か言ったときに聞き返すと、またそれがなんだか分からずに余計混乱する。で、聞き返さないことにしたら、今度は言いたいことを聞かせようとして、集中して話すから、かえってよく意味がわかるようになった。おおむね3回程度のやり取りをしないと、なにが言いたいのかがわからない。

 椅子から立ち上がるのでさえ、勢いをつけないとできないので、以前は助けようとしたものだったが、それはだめらしい。自分でやるという意思がなによりの元気さを産むことになると、特に親父の場合はそう考えるほうがいいのだと思う。今日も一日オリンピック、高校野球、プロ野球と飽きもせずテレビを眺めている。昼寝もせずに見ているから、きっと夜眠れるように頑張っているのだろう。おかずはロクに食べないが、ご飯と麺類はしっかり一人前食す、96歳老人はまだ先がありそうだ。