2014年4月24日木曜日

一杯の酒



 一杯の酒を飲みながら交わす会話は、ふつう良いものだ。次の乾杯の音頭で、なにに乾杯するかの表明だから、その前に「まあまあ」とか「さあどうそ」とか、酌をするほうの声掛けから始まる。我々のような貧乏人は、先に生ビールの乾杯だから、お酌はなしに始まる。友好関係のお付き合いいだから、けんかの手打ちを含めて悪い場面ではない。

 しかし、国の「代表」同志でしかもアメリカだから、その持つ意味も軽い者でない。この間もTPP交渉の決着を果たしたい状況で、背後の「交渉反対」の声を無視しつつ注ぐお酒だ。集団的自衛権容認の道もツマミかお土産ということになっている。沖縄の辺野古基地建設も「容認」あるのみので、なにをとっても日本のためとは絶対に言えないこと。対立関係にあるものが仲良しめいての演出と見えないでもない。

 注ぐ酒の中には、戦争のきな臭い香りもあり、TPPへの怒りの風味もある苦い酒になっているだろう。きっと高い酒だから隠し味になっているかもしれない。

 酌み交わすのはお別れの場合もある。早くそうなるように願いたい。「お元気で!私たちも幸せに暮らすよ」って。


 写真は内閣広報室が撮ったもの。税金だから使わない手はない。アメリカにはカメラから弾丸が飛び出すものもあるから、こんな位置では撮れない。弾丸は飛び出さないが写真を見た方から睨まれていることは間違いない。それもかなり多く。