2014年3月1日土曜日

豊洲新市場の起工式があった

 起工式のニュースをNETでみてみたら、「築地新市場の工事を進めるのは管理施設棟や青果棟、水産卸売場棟など4棟。建設予定地では土壌汚染対策が終了」と、都の発表を鵜呑みにしたままの記事を載せている。土壌汚染対策費が当初から200億円膨らんで、786億円になったことは赤旗だけしか書いていない。本体工事のほうは2月の入札が不調になった結果、当初より6割増の1034億円になったことは、だいたい記事になっている。桝添知事のもとで5000億円という、膨大な資金を導入して建設に走るという向きは決まった。もともとは、石原知事の一期目に移転はしないと決まっていたものをひっくり返して、無理やり推進してきたのだから、とてつもない「もったいない」話だ。


 「土壌汚染対策が786億円で終了した」と都が公表したことを真に受けての報道も、相当間の抜けたものだ。東京都は議会で土壌の調査をキチンとするべきと指摘されたときに、言を左右にして以前にやった調査を「借用して」無理やり安全性を示そうとしていた。止むを得ずやった調査結果で地下水はベンゼンシアン化合物が環境基準を、土壌はベンゼン、シアン化合物、ヒ素が環境基準を上回る汚染が明らかになった(ベンゼンにいたっては国の基準の1500倍の濃度の検出であった)。

 隠し立てしようとしても実際上汚染物質が出てくるわけだから、都としては、やむを得ず汚染対策費の上澄みをしなければならなかった。臨海部開発の失敗の後始末に、どうしても東京ガスの跡地を使わなければならなかったのかということもある。他にもあるよと中央区長が言い出していたし、土壌汚染があることを承知で東京ガス跡地使用を決め、45メートルの土を被せれば大丈夫としていた。これが「土壌汚染対策が786億円で終了した」という内容だ。本来東京ガスが負担すべきものを、都が持ったということだ。こんな親切な話はこと都民に対してはないことだ。

 この土壌汚染問題で東京ガスが、東京都に合わせた口裏合わせの見解を公表している。昨年2月のことで、都知事選挙直前のことだった。
豊洲地区用地(区域2)における土壌調査結果と今後の対応について