2014年1月26日日曜日

脱原発だけが都政の課題じゃあない

都知事選の政策討論がないという異常なことになった。告示前の青年会議所の「恒例」討論会も、宇都宮氏以外が参加をしないということで中止されたが、告示後の四つのテレビ討論会も同様で中止、延期になったとか。これで、脱原発の世論を当て込んで二分させ、桝添氏浮上の結果を生み出す構図がはっきりしてきた。今の段階でも都民生活に影響大な政策が、討論されないでしまうのでは、有権者は目隠しされたままの選択を迫られることになる。

それも織り込んだものということであれば、あまりにも馬鹿にしたやり口だと思う。脱原発候補の一本化ということで、「勝てる選挙に」という動きもあったが、都政が原発のみでは済まない現実を持ってのだから、その話は進まない。そのことで運動に携わっている人たちの苦渋も生んでいる。脱原発の中心的な運動体の方は、どこも推薦しないという懸命な判断をしているので、運動そのものにダメージになっていくことは防げるとは思うが、都知事選挙があってもなくても脱原発の運動が引き続いていかなければ、目標はそう簡単に到達するものでない。

もし脱原発で信を問うというのであれば、どなたかが言っていたが国会議員として選挙に出るのが筋だろう。もちろんその時の公約は脱原発だけでは足りないだろうけど。

アクリフーズ群馬工場の「農薬検出事件」の容疑者が逮捕された。契約社員だということだ。テレビ報道で、労働条件について不満を漏らしていると、同僚が語っていた。中国製ギョーザ農薬混入事件は、つい先日無期懲役との判決がでたが、天洋食品で臨時職員として働いていた36歳の男性は、犯行を起こした動機について、臨時職員の給料や待遇への不満や、他の従業員とのトラブルなどだとしていた。処遇の労働環境が似ているところがある。中国も日本もそういう雇用の実態を抱えていることは、大きな問題と言えないか。

宇都宮氏の都知事選挙の政策が光って見える
「雇用を、前に。ブラック企業を撲滅します。=長時間労働、上司のパワハラなど若者を使い捨てにする「ブラック企業」を規制する条例を裁定します。自給三ケタをなくす、最低賃金を1000円以上に引き上げます。」


脱原発だけが持ち上げられて、他のことがないがしろになってはいけないだろう。公約として言い出せば、財界に対しての物言いになるから、控え隠すということだろうと突っ込みを入れておこう。政策論争からの逃亡に違いない。