2013年9月7日土曜日

オリンピック特需でうまくいくか

 東京の臨海部会計は起債残高が2300億円以上になっている。無理矢理に埋立をして、土地売却で収入を得ようという目論見は完全に破たん状態。売却価格をいくら下げても企業に振り向かれない状況で、進出予定企業からも進出撤回をされて、2020年度までの8年間に利息を含めて毎日888万円を返す計算になるとか。

 開発には、港湾局の予算を「一人当たり1億円使用させる目標」を設定させてまで金を使うように仕向けた。企業の土地の利用は一向に進まず、進出企業誘致のために何度となく、廉価サービスをしてきた。都が出資して無理矢理使わせた第三セクタ―5社も破たんするなどして、都の特別3事業会計を合わせて赤字を隠したり、都財政から「補てん」をせざるを得なくなり、一般会計からは出さないとしてきた臨海部開発は破たんした。
 
 都の臨海部開発のツケ(返済額)は現在2500億円に近い。2020年度までに利息を含めて毎日888億円を払う勘定になると。石原慎太郎が知事になったときはその「見直し」が公約だったが、結局「去るも地獄残るも地獄」といって継続した。2000年には、自然保護団体、釣り業者、船宿、つり団体などが有明北地区の埋立を止めろとの声を上げたが、強行してしまった。「ハゼはどこかへいくでしょう」が議会答弁だった。有明北埋立地は、失敗した2016年度のオリンピック招致の際の選手村の設定だった。
 
 1964年東京オリンピック以後、翌年には「構造不況、昭和40年不況、証券恐慌」に陥ったし、長野のオリンピックも自治体の財政負担は重いものが残った。「経済効果」はインフラ整備にあたる企業にはあるにしても、都民の目線からは恩恵が見えてこない。自治体行政の本旨から逸脱して「不動産事業」ばかりに執心しているのでは、政治ではない。

→ 信濃毎日新聞2003.2.7

「現在の日本の累積債務の山は、東京オリンピックの後始末がスタート地点」との見方がある。

→ BUSINESS-経済-


 2000年に埋立をした有明北地区(2010年11月)