2013年7月21日日曜日

祭りごとの選挙に惹かれて演説会

 選挙戦の最終日。自民党の演説会に行って見た。30分も前からかなりの人たちがあつまっていた。高齢者が多いのだろうと思っていたら、意外に若い人たちも混じっている。前段の30分は、区議団のナントカ選対とか、都議団の選対とか、衆議院のとか入れ替わりで、挨拶をする。政策めいた話はなく、…は危ないからよろしく頼むという決まり文句が続いていた。内容がそういうものだから、聞いている方も拍手がまばらでいわゆる盛り上がりという雰囲気ではなかった。

 地元選出の衆議院議員が、候補者の手を取ってよろしくお願いしますと頭を二人で深々と下げても、拍手がいくらか上がるだけだ。石原のぶてる氏が登壇すると少し反応が変わって、拍手が少し多くなる。盛り上がりを感じない(いつも見ているほかの演説会と違う)変な雰囲気を感じながら、候補者がしゃべるのを聞いていると、聴衆はこれにもうなずくでもなし、拍手をするでもなし、ちょっと違和感があった。

 都議団の名前を人ひとり紹介して、会場に来ているということだったから、そういった関係からの動員もあるのだろうか。候補者は、安倍首相と一緒にやらしてくださいというのが、大まかの趣旨。道徳教育が悪いだの、国際貢献ができる日本を創るだのと、民主党がじゃましてできなかったことをすすめて、捩じれをなくしてアベノミクスでやればよくなるという話だった。

 安倍首相が登場して、ちょっと雰囲気がかわってくる。民主党がやれなかったことを六カ月間で、為替と株の上昇に転じさせたと自慢し、大企業68社で7%のボーナスが支給されたから、この方向でやればもっとよくなるというもの。焼肉食べたら注文の品数を増やせるとか、ビールをもう一本飲めるとか、乗せる話題で「景気回復」をアピールした。領土問題はさらりと流し、憲法改正問題や原発には直接言及しなかった。経済が回復すれば税収が上がると、消費税増税にも触れなかった。不利とみているのだろう。保育園を増やしますというのも「女性のために」と付加しながらアピールした。国会で共産党に追及されたことが効いているとみえた。

 話っぷりがうまいから、役者に見えて聴衆の方も安倍首相の演説に反応が違っている。それでも大拍手などということはないが、何本かの日の丸の旗と、どういうわけか真紅のハンカチを振っている人がいた。これもほんのわずかだったが。聴衆はもちろん意識的な人たちがきていると感じたが、30代くらいの若者が「東京はAと、もうひとりえーとB。5つくらいの議席だから、二つくらい取るんじゃない」としゃべっているのが聞こえた。壇上から3000人くらいと言っていたが、映像用のカメラが6台くらい使われていた。「安倍人気」ということがどう出てくるのか、東京は(というか大都市というか)選挙結果では、タレント的候補者が当選することがよくあるから、その影響がでるのかどうか。