2012年3月17日土曜日

新しくなって失うもの


 大阪と青森を走る寝台特急「日本海」がなくなってしまうとか。それも「老朽化や利用者の減少」だということ。ほんとかなと思う。老朽化は新しく車両を作ればいいんだし、利用者の減少は、新幹線だってそうなんじゃないかな。20%割り引くだの30%割引をして集客している。

 早く目的地に行って早く帰ってくるのばかりが能でない。景色をゆっくり楽しみながら、旅をするのもまたいいものだ。普段あくせく物事に追い立てられているのだから、ゆっくり行く旅を選択できる方がいい。

 新幹線の売り上げばかり優先させて、JRが投げ出したローカル鉄道は必死だ。被災した三陸鉄道の復旧だっていまだに一部だけの復旧だ。山田線などは見通しもない。

 「東京スカイツリー駅」が誕生した。と言っても業平駅の成り代わりだ。「世の中に  たえて櫻の  なかりせば  春の心は  のどけからまし」とうたった在原 業平はどう思っているだろう。

 名前は残せという要望もあったらしいが、変える必要があるのかと個人的には思う。「スカイツリーがなかったら春の心はのどけからまし」と喧騒を嘆いているかもしれない。

 ことを新しくするときは、過去のものには重きを置かないのは日本式。大事なものを失っていかないのか、吟味が必要な気がする。